純喫茶コレクション

好きなものは、昭和の香りがするもの。  純喫茶に恋をして、もうかれこれ数年。  部屋にあふれる昔のレトロな雑貨たち。  そんな風に大好きなものたちを紹介していけたら。

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東京・神保町・洋酒 珈琲 黛(まゆ)

喫茶店のマスターという人たちは、一見どんなに強面であったとしても、
珈琲を一杯頂き、世間話から始まる話などをして、帰る時間を迎えた頃には
最初の雰囲気はどこへやら、すっかり柔らかい表情になって見送ってくれる。

先日休暇を取った午後、所用が済んだので神保町へ出掛けた。
しばらくの間、訪れていなかった「珈琲 エリカ」のあの素晴らしい空気を吸いにと、
向かい、店内に灯りは点いているものの入口のガラスには既にカーテンが掛かっていた。

営業時間を間違えたか、と窓の中を何気なく見ると、掃除中のマダムと目が合った。
「今日はもうおしまいだよ」と作業中の手を丁寧に動かしながら教えて下さった。

19時までの営業、と勝手に思っていたが、現在は18時にて閉店してしまうらしい。

すっかり喫茶するあてを失い、しばらくの間、その周辺をぐるぐると歩いた。
「潤」は営業形態を変えたのか、夜は美味しそうな肴と日本酒を出す居酒屋になっていた。

ラドリオやミロンガ、伯剌西爾は頻繁に訪れるし、白十字もつい最近お邪魔したばかりだ、
などと考えているとふと一つの喫茶店のことを思い出した。

店名は「黛」。まゆずみ、と読むと思っていたが、どうやら「まゆ」が正しいようだ。
後程訪れた入口に置かれた紫色の看板には、丁寧にもルビがふってあった。

少し緊張しながら扉を開けると、穏やかそうなマスターと赤い椅子が視界に入った。
「18時半までなんですよ」と申し訳なさそうにしている。

素敵な店内に見惚れて、しばし返答を忘れてしまった。
それではまた来ます、と言い掛けた時、「やっぱり、せっかくだから珈琲をどうぞ」と
マスター。迷いつつも有り難く、閉店時間には退出する旨を伝え、腰を下ろした。

一番奥の席から眺める風景はとても美しい。

積み上げられた小説たちも、カウンターの回りを取り囲む真っ赤な椅子たちも。
その中に佇むマスターの姿も。薄暗い灯りの下で、まるで映画のようだと思う。

ふと、カウンターの中に飾られている絵皿に目が留まる。

学芸大学のマッターホーンや、西荻窪のこけし屋の包装紙のイラストを手掛ける
鈴木信太郎画伯のイラストだ。思わぬ場所での嬉しい出会いに近くで拝見させて頂く。

マスターに「こちらは鈴木信太郎さんの描かれたものですか?」と尋ねるも、
珈琲を淹れながらマスターは「そうなのですか、良く分からないのです」と笑顔。

このゆるやかさも純喫茶の魅力である、といつも強く実感する。

運ばれてきた珈琲の下に敷かれた皿には、「黛」の文字。
ご友人が作られたものらしい。

300円といささか安すぎる珈琲は丁寧な味がして美味しかった。

時計を何度か確かめながら珈琲を頂く私に、「せっかくだから気になさらないで
ゆっくりしていって下さい」と常に笑顔を絶やさないマスター。

こちらに座っているだけで気持ちがあたたかくなるのを感じる。

夜の時間帯はオーナーが代わり、お酒も出す営業形態になるらしい。
そちらも気になるが、今度はもう少し早い時間に訪れて、またマスターと
ぽつりぽつりと話が出来たなら、と思った。

★住所:東京都千代田区神田神保町2-16
★TEL:03-3230-0691

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