純喫茶コレクション

好きなものは、昭和の香りがするもの。  純喫茶に恋をして、もうかれこれ数年。  部屋にあふれる昔のレトロな雑貨たち。  そんな風に大好きなものたちを紹介していけたら。

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山梨・甲府・コーヒー専科 ブン

東京に雪が降る、と聞くと、何故か山梨へ出掛けた日のことを思い出す。

1月に思い立って電車に揺られた日は良く晴れた一日で、雪が積もったのは
東京へ戻ってきてからだというのに、どうしてか記憶の中では薄曇りなのだ。

甲府で一番最後に行ったのは、「コーヒー専科 ブン」だった。

朝日通りの辺りを目的もなく散策していて、THE BOOMの歌を
頭の中で口ずさんだりした。「星のラブレター」は名曲だと今でも思う。

『 朝日通りは 夕飯時 いつもの野良犬たちが
  僕の知らない 君の話 時々聞かせてくれた 』(THE BOOM 星のラブレター)

雪こそ降ってはいなかったが、空気が刺さるような温度の午後でポケットに入れたまま
歩いていた手がどんどん冷たくなってくる頃、「珈琲」という文字が目に入る。

遠めからでは灯りが点いていないように見え、期待しないで近くまで歩いたが、
反射してこちら側を映す窓ガラスの向こうには明るさを感じたので、扉を開ける。

開けると同時くらいに、すぐ近くに座っていたママから「うちは珈琲しかないよ」と
言われる。喫茶店には大体の場合、珈琲を飲みに行くことが多い私は、「大丈夫です」
と答えて、先にいた常連らしき方に会釈をして、空いている席に腰を下ろした。

先程の言葉の意味は、少しずつ話していくうちに分かることになる。

ママ曰く、
「最近は常連以外の人が入ってきて珈琲以外無いのか、と言われるのが
嫌でなるべく視線を合わさないようにしている」とか「以前は沢山のメニューを
提供していたが、注文の出ない日に無駄を出すのが嫌で珈琲一本にした」、
「マスターが亡くなってから営業を迷ったが、続けて良かったと思っている」
「ランチが無いなんておかしな喫茶店だ、と言われることがたまにある」等…。

どの話も私にはとても興味深かった。常連の女性も甲府の素晴らしさ、暮らしやすさ、
この喫茶店に来ることが楽しみだということをぽつりぽつりと話して下さった。

ママが「あなたが前を通った時、たまたま目が合ってしまって、珈琲しかないから
入らないじゃないのか、と思ったのよ。でも喫茶店を好きで嬉しい」というような事を
仰ったので、涙が出そうになった。

今は亡きマスターの話を聞いた後だったせいもあるのだろう。

テーブルの上には竹久夢二のイラストをめくるカレンダーが飾られていて、
それを私が熱心に見ていたせいか、「昨年のものでカレンダーとしては使えないけど
切り取ればポストカードになるからあげる」と大切なものまで頂いてしまった。

甲府市内?で発行されている地域の雑誌も、「好きなだけ持って帰って良い」と
表紙の写真の美しいものを何冊か頂いて帰った。次は春にでもまた来られるように。

ふらりと入った喫茶店だったが、何だか今も感慨深く思い出す。
特にこんな朝は、ママが寒くしていないか、とか、熱い珈琲を飲みに行きたい、とか
そんなことと一緒に。

★住所:山梨県甲府市宝1-10-10
★TEL:055-228-6226

山梨・甲府・コーヒー専科 ブン1

山梨・甲府・コーヒー専科 ブン2

山梨・甲府・コーヒー専科 ブン3

山梨・甲府・コーヒー専科 ブン4

山梨・甲府・コーヒー専科 ブン5

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山梨・甲府・コーヒー専科 ブン8

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山梨・甲府・コーヒー専科 ブン10

山梨・甲府・コーヒー専科 ブン11

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