純喫茶コレクション

好きなものは、昭和の香りがするもの。  純喫茶に恋をして、もうかれこれ数年。  部屋にあふれる昔のレトロな雑貨たち。  そんな風に大好きなものたちを紹介していけたら。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

東京・大手町・画廊喫茶 ルオー【閉店】

大手町ビルヂングの地下にある「画廊喫茶 ルオー」の存在は知っていた。

しかし、それは何かの雑誌で眺めた店内の写真の記憶だけで、
その店が大手町のどこにあるのか、など具体的なことは把握しておらず、
近いうちにいつか、と思っている間に、訪れることの出来る最後の時が近付いていた。

ここに出会えたのも偶然のことで、同じビル内で営業を続ける喫茶「サンマリ」にて
一休みをしようと出掛けた際に、閉店を告げる貼り紙を見つけたのだった。

そこに記されている日付まであと7日間。しかも、営業時間を確認したところ、
土曜・日曜・祝日は定休日、平日の営業時間も夕方17時までと、勤め人にはなかなか
行き難い設定ではあったが、終わりを知ったからにはこれも何かの縁だと時間を作った。

幸いにも、前の週に知り合ったサンマリのマスターが一緒に出掛けてくれることになって、
初めて訪れるにも関わらず、ルオーのマスターは店内写真を撮ることを快諾して下さり、
閉店を惜しむたくさんの人たちで賑わう店内で、思う存分ここを満喫することが出来た。

最初に目に付いた店名の入った看板は、本郷にある喫茶店「ルオー」と同じ書体のものであり、
その関係性を問うたところ、親族経営などの繋がりはなく、オーナー同士が知り合いで、
且つどちらも画家だったため、それで本郷に倣い、同じ店名にした、とのことだった。

髭をたくわえた渋いマスターが忙しそうに店内で仕事をこなす中、ふとこちらのテーブルに
持って来て下さったのは、店名のロゴが赤く入れられたルオー特製のマグカップだった。

「ここの50年記念に作ってね。差し上げます」とマスターはにっこりと笑った。

貴重なものを戴いたことに感謝すると同時に、そこから数年後に閉店する運びになったことを
感慨深く思い、改めて寂しい気持ちになった。
マスターや常連客に比べたらほんのささやかな気持ちかもしれないが、本心から。

ここでじっくりと珈琲を飲んでいる間、別れを惜しむ人たちがひっきりなしに入り口をくぐる。
皆、マスターと言葉を交わし、そそくさと笑顔で帰っていくことからも、このために時間を作って
やって来た人たちが多いのだろう、と思う。その気持ちに勝手に感動する。

マスターの色々な気遣いに感謝した後、店を出たが、名残惜しくて
しばらくの間、じっと眺め、外観の写真を何枚か撮っていた。

すると、隣で同じようにカメラを構えるスーツ姿の男性と目が合い、いくつか会話をした。
その方はマスターの知り合いであり、勤務地とは少し離れているが、閉店前にと訪れたらしい。

「昔は、上司に怒られるのも深い話をしてもらうのもこういう喫茶店で、そういう場所が
減っていってしまうのは悲しい。チェーン店で怒られるのは少し重みがないでしょう?」と笑った。

ルオーはその彼にとって「良くも悪くも、若い頃の人生の思い出が詰まった場所」だという。

あいにく私にはそういう記憶がないが、人それぞれ思い出の形は違うにしても、
喫茶店の閉店には、今後も毎回のように寂しくなるのだと思う。

この度、最後に訪れることが出来た「ルオー」は私の記憶の中でこれからもずっと活きている。

(2012年02月17日 閉店)

★住所:東京都 千代田区大手町1-6-1

大手町・ルオー1

大手町・ルオー2

大手町・ルオー3

大手町・ルオー4

大手町・ルオー6

大手町・ルオー7

大手町・ルオー8

大手町・ルオー9

大手町・ルオー10

大手町・ルオー11

大手町・ルオー12

大手町・ルオー13

大手町・ルオー14

大手町・ルオー15

大手町・ルオー16

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。