純喫茶コレクション

好きなものは、昭和の香りがするもの。  純喫茶に恋をして、もうかれこれ数年。  部屋にあふれる昔のレトロな雑貨たち。  そんな風に大好きなものたちを紹介していけたら。

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長野・上田・珈琲 木の実

初めて訪れたというのに何故か懐かしい場所、というのがたまに存在する。

上田では、喫茶店「木の実」がそうであって、何の前知識もないまま、
路地裏を散策していた時に偶然見つけて、いつものように扉を開けたのだが、
何となくここは特別な場所である、という予感がした。

重たい扉の向こう側の様子は外からは全く窺うことが出来ず、少し緊張したが
入ってすぐの所に雑誌がたくさん並んでいて、その中に以前私がマッチ箱の頁で
少し手伝いをさせていただいた『遺しておきたい古典喫茶』が並んでいたのを
見つけて、勝手に親近感が沸いてしまった。

少し薄暗くて洞窟のような店内がやけに落ち着く。天井には不思議なオブジェも。

メニューを眺めると、まず目に飛び込んできたのは「ブレンドコーヒー180円」という
破格の金額だった。それも気になったが、せっかく来て180円しか置いていかないのも
何だか申し訳ないような気がして、他の珈琲を探す。

そして、今までに飲んだことのない珈琲豆の名前を見つけたのでカウンターにいる
女性店主にこれはどういった珈琲か、と尋ねてみた。すると、返ってきた答えは
意外にも素っ気無く「飲んでみたらいいじゃない」とのことだった。

その予想外の返答に嬉しくなってしまい、それを注文し、丁寧に淹れられるのを見ていた。
あたたかい湯気をたてている美しい琥珀色の飲み物をゆっくりと口に運んでから
「美味しいです」とカウンターの向こう側に伝えた。

すると、少し愛想が無いと思っていた女性店主の笑顔が花のようにほころび、
「でしょう?気になったら自分で試さないと」と笑った。

そこからは嘘のように話が弾み、短い時間ながらも本当に色々な話を聞いた。
店が出来てから今までのこと、180円の珈琲の秘密、店主の今の生活のこと、
残念ながらマッチ箱はもうないが昔デザインになった木の実のブローチのこと・・・。

帰り際に、さりげなく雑誌を指差し、この頁は私が書いた、ここにあって嬉しいと告げた。
すると店主はますます笑顔になり、しばらくの間その頁を眺めていてくれた。

名残惜しく、ここでいつまでも話していたかったが、ちらっと時計に目をやると
東京行きの新幹線の出発の時間が近付いていた。

上田に来た際はまた必ず立ち寄る、と約束をして扉を開けると「今度は遠慮せずに
最初から180円の珈琲を飲みなさいよ」とにこやかで優しい言葉に見送られた。

★住所:長野県上田市中央2-4-9
★TEL:0268-23-3245

上田・木の実1

上田・木の実2

上田・木の実3

上田・木の実4

上田・木の実5

上田・木の実6

上田・木の実7

上田・木の実8

上田・木の実9

上田・木の実10

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